うな重とうな丼の違いは?/
器・量・値段の考え方と由来
この記事の結論
- いちばんのちがいは器です。辞典では、重箱に入れたものをうな重、どんぶりに入れたものをうな丼と説明しています。
- うなぎの量や盛り方、値段のつけ方に決まりはなく、お店ごとにちがいます。メニューで量とセットの中身を確かめましょう。
- うな丼の起こりには、江戸時代の大久保今助の話などの説があります。同じ量なら、うな重もうな丼もカロリーは同じです。
うな重とうな丼のちがいは、まず器です。重箱に盛ればうな重、どんぶりに盛ればうな丼です。うなぎの量や値段には「うな重だから多い・高い」という決まりはなく、お店ごとに決めています。この記事では、辞典や公的な資料で確かめられることをもとに、ちがいと由来、選び方を説明します。
目次
1. うな重とうな丼の違いは何?いちばんのちがいは器 2. うなぎの量や盛り方はちがう? 3. 値段はどちらが高い?値段の考え方 4. カロリーや栄養はちがう? 5. うな丼とうな重はいつ生まれた?由来の説 6. 関東と関西でうな重・うな丼はちがう? 7. うな重とうな丼、どちらを選べばいい? 8. よくある質問(FAQ) 9. 参考にした情報うな重とうな丼の違いは何?いちばんのちがいは器
うな重とうな丼のいちばんのちがいは、ご飯とうなぎを盛る器です。小学館『デジタル大辞泉』では、うな丼(鰻丼)を「どんぶりに入れたご飯にかば焼きをのせ、たれをかけたもの」、うな重(鰻重)を「重箱の下の箱にご飯、上の箱にかば焼きを入れたもの。また、重箱に入れたご飯にかば焼きをのせ、たれをかけたもの」という意味で説明しています。
名前も、器から来ています。うな丼は「うなぎどんぶり」、うな重は「うなぎじゅう」を短くした呼び方です(『デジタル大辞泉』)。
うな重とうな丼の比較表
| くらべるところ | うな重 | うな丼 |
|---|---|---|
| 器 | 重箱 | どんぶり |
| 名前のもと | 「うなぎじゅう(鰻重)」の略 | 「うなぎどんぶり(鰻丼)」の略 |
| 盛り方(辞典の説明) | 重箱のご飯にかば焼きをのせ、たれをかける。下の段にご飯、上の段にかば焼きを入れる形もある | どんぶりのご飯にかば焼きをのせ、たれをかける |
| うなぎの量 | お店ごとにちがう | お店ごとにちがう |
| 値段 | お店ごとにちがう | お店ごとにちがう |
(出典:小学館『デジタル大辞泉』、小学館『精選版 日本国語大辞典』。どちらもコトバンクで2026年10月27日に確認)
重箱を2段にする出し方もある
『精選版 日本国語大辞典』と『デジタル大辞泉』では、鰻重を、重箱の下の段にご飯を入れ、上の段にかば焼きを入れたもの、と説明しています。どちらの辞典も、ご飯の上にじかにかば焼きをのせたものも鰻重としています。『精選版 日本国語大辞典』には、鰻重の別の呼び方として「うなぎがさね」ものっています。
重箱はどんな器?
重箱は、同じ大きさの四角い箱を重ねて使う、食べ物の入れ物です。『日本大百科全書(ニッポニカ)』によると、「重箱」という言葉は室町時代の終わりごろの書物にすでに見られます。いまは、お正月の料理やおくりものなどにも使われています。
うなぎの量や盛り方はちがう?
うなぎの量や盛り方は、うな重かうな丼かでは決まりません。辞典の説明でも、2つのちがいは器で、うなぎの量のちがいは書かれていません。どれだけのせるか、どう並べるかは、お店ごとに決めています。同じお店の中でも、うな重とうな丼でうなぎの量を変えている場合もあれば、器だけがちがう場合もあります。
メニューのここを見ると量がわかる
- うなぎの量の書き方:「1尾」「半身」「○切れ」など、お店によって書き方がちがいます
- 等級の名前:「松・竹・梅」「上・特上」などの名前で、うなぎの量を分けているお店もあります
- ご飯の量:大盛りや少なめを選べるかどうかも、お店ごとにちがいます
- 写真や見本:うなぎの並べ方や、ご飯とのバランスがわかります
わからないときは、注文の前にお店の人に聞くのがいちばん確実です。「うな重とうな丼で、うなぎの量はちがいますか」と聞けば、すぐにわかります。
たれのかけ方もお店ごと
辞典の説明では、うな重もうな丼も、ご飯にかば焼きをのせてたれをかけた料理です。ご飯にどれくらいたれをかけるか、たれを別の入れ物で出すかも、お店によってちがいます。たれを多めにしたいとき、少なめにしたいときは、注文のときに伝えてみましょう。
値段はどちらが高い?値段の考え方
「うな重のほうが高い」という決まりはありません。値段はお店が決めるもので、うな重とうな丼の値段の差のつけ方も、お店によってちがいます。器の名前だけで比べず、中身をそろえて比べることが大切です。
値段を比べるときに見るところ
- うなぎの量:何尾分か、何切れか
- うなぎの大きさや産地:国産かどうかなど。産地の見方は国産うなぎの特徴と選び方で紹介しています
- セットの中身:お吸い物や香の物など、何がついてくるか
- ご飯の量:大盛りが別料金かどうか
- 食べる場所:店内か、持ち帰りやデリバリーか(容器や値段がちがうお店もあります)
値段だけを見ると、量のちがいを見落とすことがあります。うなぎの量とセットの中身をそろえて比べると、自分に合うほうを選びやすくなります。うなぎそのものの値段が決まるしくみは、うなぎはなぜ高い?原価の決まり方でくわしく説明しています。
カロリーや栄養はちがう?
うなぎとご飯の量が同じなら、うな重もうな丼もカロリーは同じです。カロリーを決めるのは器ではなく、うなぎとご飯の量だからです。
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、100gあたりのエネルギーは、うなぎのかば焼が285kcal、ご飯(水稲めし 精白米 うるち米)が156kcalです。この値を使って、計算の例を出してみます。
計算の例(仮の数字)
| うなぎとご飯の量 | 計算 | エネルギー |
|---|---|---|
| かば焼100g+ご飯200g | 285+312 | 約597kcal |
| かば焼100g+ご飯250g | 285+390 | 約675kcal |
| かば焼150g+ご飯250g | 約428+390 | 約818kcal |
(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の「うなぎ かば焼」と「こめ[水稲めし]精白米 うるち米」の値から計算。うなぎとご飯の量は仮の数字で、お店の料理の実際の値ではありません。ご飯にかけるたれの分は入っていません。成分表の「かば焼」は、蒸す工程を行わずに作られ、包装して店頭で売られているものを分析した値です)
カロリーをおさえたいときは、器を変えるよりご飯の量を調整するほうがわかりやすい方法です。ご飯の量ごとの早見表は鰻重(うな重)のカロリーとPFCで、うなぎのビタミンなどの栄養はうなぎのカロリーと栄養で紹介しています。
うな丼とうな重はいつ生まれた?由来の説
うな丼の起こりには、江戸時代の大久保今助(おおくぼ いますけ)という人物が考えたという話が伝わっています。ただし、年や場所は資料によってちがいます。ここでは、出典で確かめられた説を紹介します。
説1:牛久沼の渡し船で生まれた(茨城県牛久市の広報紙)
牛久市の「広報うしく」2012年10月1日号は、『日本食物史年表』に、文化11年(1814年)に大久保今助がかば焼きとご飯をいっしょに蒸してうな丼を作った、という記録があると紹介しています。
記事によると、今助は牛久沼(茨城県)の渡し船に乗る前に、茶屋で出されたかば焼きをどんぶりのご飯にのせ、ふたをして船に持ちこみました。向こう岸で食べると、ご飯の熱でかば焼きがほどよく蒸され、おいしくなっていた、という話です。広報紙では、牛久市の渡し場の跡を「うな丼発祥地」として紹介しています。
説2:芝居小屋に届けさせた(『日本大百科全書』)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』の「丼物」の項目では、文政年間(1818〜1830年)の話として紹介しています。芝居の興行にお金を出していた大久保今介(表記は資料のまま)が、大野屋という店から芝居の楽屋へうな丼を届けさせるとき、熱いご飯の中ほどにかば焼きを入れて持ってこさせた。これがうな丼の始まりだという説です。同じ項目では、うな丼を「丼物の元祖」としています。
『改訂新版 世界大百科事典』の「丼」の項目でも、ご飯にかば焼きをのせてたれをかける「うなぎ丼」などが考え出されると、手軽でおいしい食べ方が人々に好まれ、「丼物」という言葉が生まれた、と説明しています。
「うなぎめし」は天保年間に江戸で始まったという説明も
『精選版 日本国語大辞典』は、重箱やどんぶりのご飯にかば焼きをのせた「鰻飯(うなぎめし)」について、天保年間(1830〜1844年)に江戸で始まったという説を紹介しています。どの説が正しいかを1つに決められる資料は、この記事では見つけられませんでした。
「うな重」という呼び方はいつから?
「うな重」という呼び方がいつ広まったのかを確かめられる資料は、この記事では見つけられませんでした。『精選版 日本国語大辞典』がのせている使い方の例(用例)は、次のとおりです。
| 言葉 | 辞典がのせている用例 |
|---|---|
| うなどん | 落語(1900年) |
| 鰻丼(うなぎどんぶり) | 田山花袋『東京の三十年』(1917年) |
| 鰻重(うなじゅう) | 丸谷才一『笹まくら』(1966年) |
これは辞典が例として選んだ文章で、その年に名前ができたという意味ではありません。うな重とうな丼の呼び方や出し方は、店や地域でちがいます。
関東と関西でうな重・うな丼はちがう?
うな重かうな丼かとは別に、うなぎの焼き方には関東風と関西風のちがいがあります。『百科事典マイペディア』(平凡社)では、関東風は背開きにして白焼きにし、一度蒸してから仕上げ、関西風は腹開きにして蒸さずに仕上げる、と説明しています。
| くらべるところ | 関東風 | 関西風 |
|---|---|---|
| うなぎの開き方 | 背開き | 腹開き |
| 蒸すかどうか | 白焼きのあと、一度蒸してから仕上げる | 蒸さずに仕上げる |
(出典:『百科事典マイペディア』「蒲焼」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」)
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の説明でも、かば焼きは焼き上げる前に蒸す工程を行うことが多く(一般に関東)、この工程を行わずに作るのは多くは関西、と書かれています。
同じ「うな重」でも、関東風か関西風かで仕上がりがちがいます。どちらの焼き方かは、お店の説明で確かめてみましょう。猫家の本店(千葉県四街道市)は関東風のうなぎ屋で、うなぎを蒸してから焼き、特製のタレで仕上げています。
うな重とうな丼、どちらを選べばいい?
どちらを選ぶかに決まりはありません。器・うなぎの量・値段・食べる場面で考えると、決めやすくなります。
- 器で選ぶ:重箱で食べたい日はうな重、どんぶりで食べたい日はうな丼
- 量で選ぶ:メニューの量の書き方を見て、食べたい量に合うほうを選ぶ
- 値段で選ぶ:うなぎの量とセットの中身をそろえて比べる
- 持ち帰りで選ぶ:持ち帰りやデリバリーの容器はお店ごとにちがうので、何に入るかを確かめる
お店で頼むときの手順
- メニューで、うなぎの量(何尾分・何切れ)を見る
- セットの中身(お吸い物・香の物など)を確かめる
- 関東風か関西風か、お店の説明を見る
- わからないことは、注文の前にお店の人に聞く
家でうな重やうな丼をおいしく食べるコツや、たれの使い方はうなぎの美味しい食べ方で紹介しています。
関東風のうなぎを店内でもテイクアウトでも
猫家のうなぎは、特大の国産うなぎを蒸してから焼き、特製のタレで仕上げる関東風。
店内でのお食事のほか、テイクアウトやデリバリーでもお楽しみいただけます。
電話予約承ります(本店:千葉県四街道市四街道1-22-5/夜は21:00〜深夜、平日の昼は11:30〜15:30で予約制)
よくある質問(FAQ)
うなぎ屋をやってみたい方へ
猫家では、うなぎ屋のフランチャイズ加盟を募集しています。料理の経験がなくても、うなぎ屋に必要なことは研修とマニュアルでお教えします。うなぎの仕入れは本部が担います。加盟の詳しい内容を見る
参考にした情報
- コトバンク「鰻重」:小学館『デジタル大辞泉』、『精選版 日本国語大辞典』(重箱の盛り方、うなぎがさね、用例)
- コトバンク「鰻丼」:小学館『デジタル大辞泉』、『精選版 日本国語大辞典』(意味と用例)
- コトバンク「鰻飯」:『精選版 日本国語大辞典』(天保年間に江戸で始まったという説明)
- コトバンク「丼物」:小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』(文政年間の大久保今介の話)
- コトバンク「丼」:平凡社『改訂新版 世界大百科事典』(うなぎ丼と「丼物」という言葉)
- コトバンク「重箱」:小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』(重箱という言葉の初め、使われ方)
- コトバンク「蒲焼」:平凡社『百科事典マイペディア』(関東風と関西風のちがい)
- 牛久市「広報うしく」2012年10月1日号「再発見・牛久 第五話」(PDF):大久保今助と牛久沼のうな丼の話
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省のページ):第3章「食品群別留意点」のうなぎの説明、第2章のデータ(2026年3月27日更新版)
- 文部科学省「食品成分データベース」:うなぎ かば焼(10070)、こめ[水稲めし]精白米 うるち米(01088)(食品成分データベース)
※この記事の内容は、2026年10月27日に確認した上記の情報をもとにしています。カロリーは計算の例で、お店の料理の実際の値とは異なります。