開業ガイド チェックリスト 2026年版 2026年10月31日

うなぎ屋の開業を考えたら最初にやること
開業の形・資金・許可・物件・仕入れのチェックリスト【2026年版】

この記事の結論

  • 最初にやることは「開業の形」を決めることです。個人かFCか、新しく出すか今の店に加えるかで、資金も手続きも変わります。
  • 資金は全体像からつかみます。公庫の2025年度調査(全業種)では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。
  • 許可と届出は保健所・消防署・税務署が基本です。個人の開業届は、開業した年分の確定申告期限までに出します。

「うなぎ屋をやってみたい」と思ったとき、つい物件探しから始めたくなります。けれど順番を間違えると、契約したあとで「この物件では許可が取れない」「資金が足りない」と気づくことにもなりかねません。本記事は、うなぎ屋の開業を考え始めた方が最初にやることを10項目のチェックリストにまとめた「入口」の記事です。項目ごとに、くわしく解説した記事へのリンクをつけました。気になるところから読み進めてください。

最初にやること10項目(チェックリスト)

うなぎ屋の開業で最初にやることは、「どんな形で始めるか」を決めることです。そのあと、資金→保健所への相談と物件→仕入れ・調理・売り方→届出、の順に進めると、やり直しが少なくなります。

No.やること確かめることくわしい記事
1開業の形を決める個人かFCか、新しく出すか今の店に加えるか個人開業とFC加盟の比較
2資金の全体像をつかむ開業費用、運転資金、自己資金、借入飲食店の開業資金
3創業計画書を書く売上と費用の見込み、資金の使い道飲食店の創業計画書の書き方
4保健所・消防署に相談するその物件と図面で許可が取れるか飲食店開業の届出・許可
5物件と契約を確かめる立地、設備、賃貸借の条件飲食店の店舗の賃貸借契約で確かめること
6仕入れ先を決めるうなぎの種類・産地・量・値段うなぎの仕入れルート
7調理を身につける方法を決める割き・串打ち・蒸し・焼き・タレうなぎ屋に修行は必要?
8売り方を決める店内・テイクアウト・デリバリーデリバリーへの出店の流れ
9届出と税金の準備開業届、青色申告、インボイス開業届の書き方
10相談先を決める資金・経営・許可・税金・FCの条件本記事の「5. 困ったときの相談先」

開業の形と資金を決める

開業の形は、大きく「個人で新しく出す」「FCに加盟して出す」「今の飲食店にうなぎを加える」「間借りで小さく試す」の4つです。必要な資金も手続きも形によって大きく違うため、形を決めてから資金を見積もります。

4つの開業の形

開業の形向いている人先に確かめること
個人で新しく出す調理の経験がある人、自分の味や屋号をつくりたい人仕入れ先の確保、調理の習得、手続きをすべて自分で進める段取り
FCに加盟して出す未経験から始めたい人、仕入れや教わる仕組みがほしい人法定開示書面、加盟金と保証金、ロイヤリティ、本部の経営状態
今の飲食店にうなぎを加えるすでに店と営業許可がある人メニュー追加か業態転換か、設備と保健所の手続き
間借りで小さく試す店を持つ前に売れ行きを確かめたい人営業許可の扱い、貸し手との取り決め

個人とFCの違いはうなぎ屋は個人開業とFC加盟どちらが得か、今の店に加える方法はいまの飲食店にうなぎを加える方法、間借りは間借り営業とは?始め方・契約・営業許可の考え方で解説しています。

FCを考えるなら、契約の前に本部から受け取る法定開示書面を読み、加盟金と保証金の違いや、本部が倒産・撤退したときの扱いまで確かめておきましょう。くわしくはフランチャイズの法定開示書面とは、フランチャイズの加盟金と保証金の違い、フランチャイズ本部が倒産・撤退・身売りしたら加盟店はどうなる?で解説しています。本部の比べ方はうなぎフランチャイズ本部の選び方にまとめています。

資金の全体像(公庫の調査から)

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。500万円未満で開業した人が4割を超えています。

項目2025年度調査の結果
開業費用 250万円未満20.1%
250万〜500万円未満21.7%
500万〜1,000万円未満29.7%
1,000万円以上28.5%
開業費用の平均値/中央値975万円/600万円
資金調達額の平均1,219万円(うち金融機関等からの借入827万円、自己資金279万円)

出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月5日公表)

この調査は全業種の結果で、回答した企業のうち「飲食店・宿泊業」は14.5%です。また、公庫から融資を受けた開業1年以内の企業が対象です。うなぎ屋だけの数字ではないので、物件・内装・厨房設備・最初の仕入れの見積もりを取り、売上が安定するまでの運転資金も分けて、自分の店の数字をつくってください。

自己資金の考え方はうなぎ屋開業の自己資金、融資の種類は飲食店開業の資金調達ガイド、厨房設備はうなぎ屋の厨房設備と初期投資をご覧ください。人を雇うなら、最低賃金も人件費の計画に入れておきます(2026年度の最低賃金と飲食店の人件費)。

許可・届出と物件を準備する

許可と届出の窓口は、保健所(飲食店営業許可・食品衛生責任者)、消防署(防火対象物の使用開始の届出など)、税務署(開業届など)の3つが基本です。保健所と消防署には、物件を決めて工事を始める前に相談します。

窓口主な手続き時期の目安
保健所飲食店営業許可(施設の検査あり)。食品衛生責任者を施設ごとに置く工事の前に図面を持って相談。申請は営業開始の7〜10日前まで(千葉県市川保健所の例)
消防署防火対象物使用開始届出書など使用開始の7日前までなど(市町村の火災予防条例による。松江市の例)
税務署個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)開業した年分の確定申告期限まで
税務署青色申告承認申請書(青色申告にする場合)1月16日以後に開業したときは、開業日から2か月以内

出典:国税庁 タックスアンサーNo.2090(令和8年4月1日現在法令等)、千葉県・千葉県市川保健所・松江市消防本部の案内。期限や必要書類は地域で違うことがあるので、出店先の窓口で確かめてください

食品衛生責任者は、調理師などの資格がなくても、都道府県などが行う講習会を修了すればなれます(千葉県の案内)。手続きの一覧は飲食店開業に必要な届出・許可の一覧、資格の考え方はうなぎの資格・免許ガイド、開業届の書き方は飲食店の開業届の書き方で解説しています。インボイスに登録するかどうかは、飲食店のインボイス対応を読んで判断してください。

物件は「相談してから契約」

物件は、保健所と消防署に相談して許可や設備の見通しを立ててから契約します。たとえば松江市の案内では、屋内階段が1か所だけの建物で、3階を事務所から飲食店に変えると、面積に関係なく自動火災報知設備が必要になる例が示されています。こうした費用は、契約の前に知っておきたいものです。

契約では、普通借家か定期借家か、保証金、原状回復などを確かめます(飲食店の店舗の賃貸借契約で確かめること)。居抜き物件の注意点はうなぎ屋を居抜き物件で開業する、立地と商圏の見方はうなぎ屋の立地選びと商圏調査をご覧ください。

開業の形をFCも含めて考えたい方へ

猫家FCは加盟金150万円(保証金込み)、ロイヤリティ売上の4%(最初の3店舗は3%)。
加盟条件を確かめたうえで、ほかの形と比べてみてください。

仕入れ・調理・売り方を決める

うなぎ屋ならではの準備は、うなぎの仕入れ先、調理の身につけ方、売り方(店内・テイクアウト・デリバリー)の3つです。どれかが決まらないと、メニューも値段も決められません。

仕入れ:種類・産地・量・値段を確かめる

うなぎは、どこから、どの種類を、どれだけ、いくらで仕入れられるかが店の土台になります。仕入れルートの探し方はうなぎの仕入れルート完全ガイドで解説しています。うなぎの資源は、シラスウナギの池入れ量の上限などで管理されていて、国際的な規制の議論もあります(うなぎとワシントン条約)。また、家庭のかば焼きへの支出は7月に年の3分の1以上が集まるなど、季節の波が大きい食材です(家計調査で見るうなぎの消費)。仕入れの量は、この波も見ながら決めます。

調理:どこで、どう身につけるか

うなぎは、割き・串打ち・蒸し・焼き・タレの扱いなど、覚えることが多い食材です。修行先で学ぶ、FCの研修で学ぶなど、身につける方法を開業前に決めておきます。修行が必要かどうかの考え方はうなぎ屋に修行は必要?で整理しています。

売り方:店内・テイクアウト・デリバリー

席数が少ない店でも、テイクアウトやデリバリーを組み合わせると売り方の幅が広がります。大阪府は、店で出しているメニューを、すぐに食べることを前提に持ち帰り・配達する場合は、新たな許可や変更の届出なしでできると案内しています。一方、作り置きの弁当など食べるまでの時間が長くなる売り方では、許可や設備の変更が必要になることがあります。出店先の保健所で確かめてください。

持ち帰り商品の表示はテイクアウト・デリバリーの食品表示とアレルギー表示、デリバリーへの出店は飲食店がUber Eats・出前館に出店する流れ、うなぎ屋での使い方はうなぎ屋のデリバリー活用で解説しています。

困ったときの相談先

相談先は、内容で分けると早く進みます。資金は日本政策金融公庫、経営全般は商工会議所・商工会やよろず支援拠点、許可は保健所と消防署、税金は税務署、FCの条件は検討している本部が窓口です。

相談したいこと相談先メモ
資金・融資日本政策金融公庫、金融機関公庫は創業前の予約制の相談を行い、創業計画書の書き方も公開している
経営全般・計画づくり商工会議所・商工会、よろず支援拠点商工会議所は創業予定者も原則無料で相談でき、創業計画書の策定も支援。よろず支援拠点は国が設置した無料の経営相談所で、47都道府県にある
許可・設備保健所、消防署工事の前に図面を持って相談
税金・届出税務署、税理士開業届、青色申告、インボイス
FCの条件検討している本部法定開示書面と契約書を受け取ってから確認

相談に行く前に、開業の形と、だいたいの資金の見込みを紙に書いておくと、話が具体的になります。創業計画書の形にまとめるなら飲食店の創業計画書の書き方が役立ちます。

猫家FCの場合

猫家FCは、未経験の方、いまのお店にうなぎを取り入れたい方、業態を変えてリニューアルしたい方を対象に、最初の3店舗を募集しています。まだ加盟店はありません。

猫家は千葉県四街道市のうなぎ屋で、蒸してから焼く関東風、特製のタレ、通常の約1.25倍の特大の国産うなぎが特徴です。店内でのご提供に加えて、テイクアウトとデリバリーサービス(Uber Eats・出前館など)も取り入れているので、席数が少ない小さなお店でも売上を確保しやすい形です。

うなぎの仕入れは本部が担い、うなぎ屋に必要なことは研修とマニュアルで教えるので、料理の経験がなくても始められます。候補地は、物件の条件を見ながらいっしょに考えます。値段はお店ごとに自分で決められます。加盟金は150万円(保証金込み)で物件・設備費は別途、ロイヤリティは売上の4%(最初の3店舗はモデルケースとして3%)です。よくある質問は猫家FCのよくある質問にまとめています。

まずは、お気軽にご相談ください

猫家FCは自分のうなぎ屋を繁盛させたい方を募集しています。
加盟条件について、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

うなぎ屋の開業は、まず何から始めればいいですか?
開業の形を決めることから始めます。個人で出すかFCに加盟するか、新しく出すか今の店に加えるかで、必要な資金も手続きも変わるからです。形が決まったら、資金の全体像をつかみ、保健所と消防署に相談してから物件を決めます。
うなぎ屋を開くのに特別な資格はいりますか?
飲食店として営業するには、保健所の飲食店営業許可と、施設ごとの食品衛生責任者が必要です。食品衛生責任者は、調理師などの資格がなくても、都道府県などの講習会を修了すればなれます。
開業資金はどれくらい必要ですか?
日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査(全業種)では、開業費用の平均が975万円、中央値が600万円でした。うなぎ屋だけの公的な統計は見当たらないため、物件や設備の見積もりを取って自分の店の数字をつくることが大切です。
個人事業の開業届はいつまでに出せばいいですか?
開業した年分の確定申告期限までに、税務署へ出します(国税庁、令和8年4月1日現在)。青色申告にする場合、1月16日以後に開業したときは、開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を出します。
料理の経験がなくても、うなぎ屋を始められますか?
調理の身につけ方を先に決めれば、始める道はあります。修行先で学ぶ方法や、FCの研修で学ぶ方法があります。猫家FCでは、うなぎ屋に必要なことを研修とマニュアルで教えるので、料理の経験がなくても始められます。